見ざる言わざる聴かざる
映像 , 2024
エリック・サティの『ジムノペディ』が本当に聴かない曲となるための音と映像を考えた。 サティは「家具のような音楽」として知られるように「聴く」ことを目的としない楽曲を作曲した。この考え方は アンビエント音楽、環境音楽の先駆けとも言われている。ただそこに音が存在し、メロディやコード進行を意識して聴かない音楽のためにジムノペディは作曲されたはずであるが、現代、この曲は憂鬱を連想させるような聴かれる音楽として人々から消費されてている。 映像は宮沢賢治の小説の中で銀河に関する文章を ピックアップし曲に合わせて一文づつランダムに画面に出現させた。文字は2時間かけて 漂い蓄積し星屑の散らばる架空の銀河となる。 映像にも音楽にも特別な意味を求めずやがて「見る、読む、聴く」をやめることを目的として作成した。音声は『ジ ムノペディ第一番』を利用し、ピアノの音は雨の音とともに流れ繰り返されるが、次第に雨音が激しくなり聞き づらくなっていく。